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彼女持ちのせんぱいに恋してるのに兄と幼なじみに猛アタックされてます。
逃亡⑱
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──最悪だ。
最悪だ。
どうしよう、
兄ちゃ────………お兄ちゃん……
足の力が一気に抜けて、膝から崩れ落ちてしまう。
その場に座り込んでしまって、先輩と女生徒の会話も流れるように耳を通る。
けど、頭の中には入ってこない。
……先輩に、好きな人がいる…………。
…………しかも、もうその人以外とは付き合わないと言う、本命の相手。
──ヤス兄といることで先輩を忘れて、苦しみがやわらいでいるつもりだった。
いや、きっとやわらいでいたんだ。
けれど、こう言う場面に直面したとたん、
胸が窮屈になって、妙に息苦しくて、
先輩のことが好きなんだって実感する。
……俺は、まだ先輩が好きだ。
目の前の扉がガラッと急に開いて、驚いて見上げると、先輩がぎょっとしていた。
「迴……場……? お、お前こんなところで何して……」
「あ、いや、その……これを、置きに……す、すみません聞くつもりはなくて……っ!」
扉の前でしゃがみこんでる奴が言っても説得力はないけれど……。
告白した女生徒らしき人は、この場から逃げたかったのか、
そそくさと扉から抜け出して去っていってしまった。
──お、置いてかないでぇええ……!! 泣
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